−−(増刊)暴走おむつ飛行士−−
(北米宇宙局 プレスルーム)
北米宇宙局長:「一昨日、当局の女性飛行士が殺人未遂で逮捕されたとの報道につきましては、遺憾ながら事実であります。詳細は現在調査中ですが、片思いの同僚が女性と会う約束をしているのを妨害しようとした模様です」
記者:「襲撃予定時間に間に合わせるため、おむつを憑けて1600`を車で爆走したそうですね。その飛行士は3児の母だそうじゃないですか。おむつなんて、障害もない大の大人が使う物じゃないでしょう。どこかの後進国の産む機械じゃあるまいし、そんな恥知らずの変態を採用した責任はどうお考えですか?」
北米宇宙局長:「戦闘機における長時間洋上飛行や宇宙における船外活動では使用しております。当該飛行士は海軍航空隊の出身ですから職務上そういう処置に慣れていました。変態行為ではありません。詳しく取材したいのでしたら、専門家を紹介します」
記者:「今後の再発防止策について伺いたいのですが、宇宙飛行士に脳改造を義務づけるのですか?」
北米宇宙局長:「それはちょっと話が飛躍しすぎでしょう。当局にそんな計画はありません」
記者:「しかしですね。こちらの飛行士はまだしも愛国民兵会のサイボーグが暴走したら危険でしょ?重火器まで内蔵しているのですよ。規制をかける必要はないのですか?」
北米宇宙局長:「民間宇宙保安官の人事について当局は関与しておりませんので直接取材して下さい。武器の内蔵については北米連憲法をお読み下さい。うちは役所だから、空気よりも憲法読むんですよ」
(愛国民兵会会長の牧場)
記者:「...ということでお話を伺いたいのですが、よろしいですか?」
愛国民兵会会長:「実にくだらん話だがちょっとなら構わぬぞ。そもそもだな、我が愛国民兵会は軍出身のへたれ飛行士とは出来が違うのだよ。横恋慕で暴力だなどとそんな軟弱者は一人もおらんよ」
記者:「はあ。ところでサイボーグの安全装置について伺いたいのですが」
愛国民兵会会長:「そういう技術的なことはスージーとリンダに直接聞きなさい。おーい、スージー、リンダ。記者さんがお前達の安全性について聞きたいそうだぞ」
スージー:「ふーん、何が知りたいの?」
記者:「ズバリ伺いますが、貴女方には暴走を防ぐ安全装置が装備されていますか?」
スージー:「運動の途中で気絶したときなんかは緩やかに減速して停まるはずね」
記者:「激高してしまったときの安全機構はないのですか?宇宙で安全に行動するには、感情を抑える脳改造が必要だとの意見もありますが」
スージー:「それは実現が難しいわね。激しい感情を脳の出力信号でどう定義するのかな。脳の出す信号を運動に対応づけるのも、体を動かしながら測定を繰り返してやっとできたのよ。例えば怒りの感情だけ検出するにしても脳のどこを観測すべきかが未知なのよ。実際に怒らせてみて信号がどこに現れるか測定してみないとわからないって訳ね。この体になってから滅多なことでは危険も苦痛も感じないから怒らせるのは難しいわよ。仮に場所がわかったとしても脳深部なら新たな電極の設置が必要だし、取り出しも問題ね。私らはこういう風に、脳の上をびっしり感覚器官と身体制御用の電極が覆っているのよ。これ以上取り出しを増設するのはは無理だと思うな」
記者:「北米宇宙局の飛行士がおむつで爆走した事件についてはどう思われますか?」
スージー:「この体には性器や尿道が無いせいか性的興奮って感じないのよ。オッパイバズーカだって撃って快感って訳じゃなくて、手順通り粛々と撃つものだし。だから理解不能ね。そういう話はリンダの方がまだ分かりそうかしら。リンダ、どお?」
リンダ:「私は生まれつき金属製の物体だけに性的興奮を覚える性質なのよ。だから今は常時自慰してるような状態で欲求不満の余地って全くないわ。安全を重視するなら宇宙飛行士はメカフェチだけを採用してサイボーグ化すれば理想的ね。でも今のところ生命維持装置の制約からサイボーグになれる娘が少なすぎるわ。結局、技術力と宇宙飛行士を支える社会システムの進歩がないと解決できないわね」
記者:「例の帝國のサイボーグ宙軍についてはどう思われますか?」
リンダ:「あいつらって、随分贅沢な暮らしで、それでも満足できずに休暇中は売春してるわね。やっぱり、メカフェチでもない娘を大勢強制的にサイボーグ化するのは無理があるのよ。でも、それで国家が成り立ってしまうような社会システムを築いたというのは立派なものだわ。まあ、実際のところどうなのかは本人達に取材って...無理か。あはは」
(ハルの店・カロンの天然氷)
いつものオサーン:「うーい。ハルちゃんのおしっこはいつも美味しいねえ」
ハル:「ありがとうございます。体内酒造システムのコンディションには細心の注意を払っています」
いつものオサーン:「ところでさあ、北米連でおむつ宇宙飛行士が爆走したでしょ。ハルちゃん達も宇宙遊泳の時はおむつ憑けるの?」
ハル:「帝國宙軍はそんなださいことしませんよ。私らは裸で真空中に出られるんです。だから、船外作業の時もレオタードか水着しか着けないのですぐに脱げるんですよ。それに、宇宙に出るときは胴体機器を組み替えるから基本的に排泄は不要です。ごくまれに耐真空オイルが劣化して廃棄する場合は、脱いで尿道から放出しちゃいますね」
いつものオサーン:「わあ、いっぺん放出するところが見たいなあ」
ハル:「別に面白くはないですよ。廃油だから飲めないし」
いつものオサーン:「飲めないのか。ザンネン。でも見たいな」
ハル:「お客さんは宇宙服着けなきゃ行けないから、おむつ着用必須ですよ」
(おそまつでした。本編難航スマソ)

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