−−(8)リエの同窓会−−

幹事:「乾杯!」

同級生A:「あーっ。誰かと思ったらリエじゃん。名札見なきゃ判んないよなあ」

同級生B:「リエ!。よく生きてたわね」

リエ:「あのねえ、昔どこかの国であった学徒出陣とかじゃあるまいし」

B:「だって、卒業証書と一緒に召集令状渡されてそれっきりじゃないの」

リエ:「同期で素体になった娘たちはみーんな生きてるわよ」

同級生C:「でも、人間やめちゃったんだよね」

リエ:「まあ、どちらとも言えないけど、宴会出られる程度に人間も続けてますが」

C:「そういえば、乾杯普通にしてたね」

A:「錠剤と電気だけで生きてるんじゃないのか」

リエ:「宇宙に出てるときは、それに近い鴨ね」

A:「宇宙と地上で違うの?」

リエ:「消化ユニットとかに元の体から取った器官を組み込んでるのね。特に小腸なんかは放射線に弱いから、任務中は地上に預けるのよ」

B:「器官の組み替えなんて簡単に出来るの?」

リエ:「内容次第ね。標準で1時間、ただしオプションに凝ると割り増し」

C:「体の構造どうなってんの?。一見普通の人のようだけど。その手袋やマントの下はアンドロイドみたいになってんの?」

リエ:「そんなちゃちな物じゃないんだな。まあ、サイボーグも大抵の娘は見た目が人間と大差ないけど。このリエ様は、凝ったオプション使ってるんでかなり違うよ」

C:「うーん、想像がつかないなあ。見せてよ」

リエ:「興味あるでしょ。便利なのよ、これが。へっへっっへ」

A:「見たい見たい!」

リエ:「でわ、ご開帳ぉ、ぬぎぬぎ...あ、かつらが吸着しすぎ、お、取れた」

C:「うわー、何これ、すごーい体内の機器が丸見え」

リエ:「イルミネーション点けるね」

A:「すごーい。クリスマスツリーだあ。頭に星空まで写ってる」

リエ:「ダイヤ皮膜にELで球面ディスプレイが形成してあるの。プラネタリウム以外にも例えば、...これなんか前の任務で飛んだコースよ」

B:「きらきらして綺麗ねえ。脳まで見えてるのはキモイけど」

リエ:「キモイは余計よ。まあ、趣味な香具師だけに褒められりゃいいんだけど」

C:「趣味な香具師って、ああキョウの奴か。向こうにいたな。呼んでくるよ」

A:「これって、国家機密なんじゃないの?。あとで我々消されたりしないかな」

リエ:「あのねえ、帝国本体のシビリアンて、そもそも機密の共有者でしょ。みんなだって、特区には就労どころか入るだけで厳しい審査があるでしょ。全身サイボーグに関することをあっちで口外しないようにきつく言われるし。思想的にあやふやとか口の軽い人が外国人に接しないようになってるの。ましてや、この体だと特区近くの緩衝地帯へ行くだけで、手間かかるのよ。さっき太ももから外したみたいな機密保護用のコスメチックジャケットやかつらをしっかり吸着させて被ることが厳重に義務づけられているの」

A:「そういえば、特区に逝くのも、特定技術開示規制令があって審査厳しいな」

リエ:「サイボーグは体内CPUログで管理されるから外装規制守れば、自由に逝けるよ。まあ、私は風俗の副業とか興味ないんで、外装の自由を選んだ訳だが」

B:「向こうからの移住資格を取るのって、もっと遙かに厳しいのよね。自然保護地区立ち入り規制法と言う名目で、外国人は全面禁止で、特区住民も最低5年の厳重な合宿で思想調査と特別教育を受けるんだっけ。違反者は、事実認定だけで情状酌量なしの100%死刑でしょ」

A:「こっちで捕まったときは死刑の代わりに人権削除だね。似たようなもんだが」

リエ:「要するに、シビリアンとは素体供給のために必要な人口なのよ。そこから安定的に素体を供給するためには、サイボーグや遺伝子管理を否定する近視眼的な人権思想やお馬鹿な宗教が流行しないように隔離が必要でしょ。外国人との接触が厳しく管理される事もやむを得ないというわけ。その代わり、税金も安いし、科学教育や医療・福祉で優遇されているのね。せいぜい、良い素体になれる子供を作って、しっかり教育してね。私のように選ばれた幸運な人たちが、宇宙から富を持ってきて頑張るから」

B:「教育かあ」

A:「実は、教育委員会の上司からリエに頼めないかと言われてることがあって」

リエ:「はあ?。何でまた。私、学問なんて偏った分野しかできないよ」

A:「中身は会って話したいらしいんだけど」

リエ:「そう、まあ今日以外何も予定決まってないからいいけど」

A:「じゃ、明日でもメールするね」

リエ:「そうして。どこにいても手ぶらで受信できるから」

C:「キョウこっちこっち、リエなんだよ。すごいでしょ」

キョウ:「萌え...綺麗だ...」

リエ:「それだけ?」

キョウ:「今夜付き合って。ねえ、いいだろ?。頼むよ」

リエ:「そういう反応を期待してたの。キョウなら絶対と思ってた。そのために手持ちポイント殆どつぎ込んで、この体にしてきたのよ」

キョウ:「じゃ、良いんだね。嬉しー。リエちゃんありがとう」

リエ:「とりあえず、2次会おごってね。体に奮発したから遊ぶ金無いんで」


(リエの目論見は成功した模様です。


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