−−(13)トロヤ群へ−−
(航行中の新型資源収集艦”みくら”艦橋)
操舵士:「メインエンジン巡航加速状態に入りました」
朝子10世:「自動調整に切り替え、加速状態固定せよ。運用、重力区画の床面調整やって。金星スウィングバイまでの1ヶ月はこのままでいきます」
運用科員:「居住ブロック重力安定しました」
朝子10世:「艦内放送を」
運用科員:「つなぎました」
艦内放送:「艦長です。出航作業ご苦労様でした。既に通達したとおり、今回の目的地はトロヤ群、つまり木星ラグランジュポイントの小惑星群です。未探検空域のため、通常の資源収集とは任務の性格が違うので、少し考え方を述べます。当該空域は、小惑星帯や外惑星衛星とは重力状態が著しく異なるため、太陽系形成過程における物質分布が特異であった可能性も考えられます。したがって、今回の任務では特定品目の収集目標はなく、薄く広くサンプルを取る事が目標です。このため、採鉱員の増員を要請し8名体勢で臨むことになりました。またこれに伴い、定員と積載量の多い新造艦を使うことになりました。新型艦なので加速が改善し、艦体強度向上によりスウィングバイでも厳しい軌道が採れます。作戦期間は従来の標準である3年より、やや短くなる予定です。ただし、探査結果によっては火星への輸送任務が加わる場合もあるので、寄り道も覚悟しておいて下さい。以上です。当直員を除き、別命あるまで自由休憩とします」
(兵員室)
マサ:「結局また地味な任務かあぁ」
リエ:「未探検地域だから、ちっとはスリルもあるんじゃないの?」
冬子:「収集ノルマ無しってことは、無事帰りさえすればボーナスでしょ。子供に金がかかる身にはありがたいなあ」
ミキ:「自由休憩って何時までなんでしょう?」
リホ:「そういえば、初めてだったわね。この場合、たぶんスウィングバイまでの約1ヶ月の大半ね」
マオ:「そんなに暇なんですかぁ。暇つぶしのものなんて何にも持ってないのにぃ」
リホ:「部署によっては定期的な作業があるけど、採鉱は現地で忙しい分航行中は暇なの。当直といっても簡単な雑用しか仕事ないし、8人で回すから。どうせ体なまらないから沢山寝ておくのもいいわよ」
ミキ:「あの引き出しみたいな安全セルで寝るのは人間やめたみたいで好きになれませんね。睡眠不足が美容に影響しなくなっちゃったし」
リエ:「美容に関係なくても生体脳を休ませないと寿命には影響するのよ。体が辛い訳じゃないんだから慣れる事ね」
マサ:「起きててもゲームが出来るから退屈なんかしないよ」
エリ:「あれはゲームじゃなくてVRマシンを使った公式訓練プログラムだって、あんたいつも言い訳してるくせに」
マサ:「まあ建前はそうだけど、新人にはそう言った方が判りやすいかなぁと」
リエ:「要するに、宇宙作業の技術や軍事作戦の演習がゲーム仕立てになっているのよ。スコア記録がVRマシンから人事サーバーに送られて能力評価になるの。例えば、下士官昇格なんかでは所定の種目で基準ポイントを超えていないといけないとかね。その他、大学の単位に認められる種目もあるの」
マサ:「とりあえず、あんたたちには目的地到着までに重機操作の基本を済ませて貰わないとね。ま、実態はゲームなんで楽しいよ。基準点の125%を超えたポイントは給与に直接反映されるから、小遣い稼ぎになるし」
タラ:「マサは、小遣いよりも真理亜侯の宿題が有るんじゃないの?」
マサ:「え、まあそれはこの娘たちの指導の後、ぼちぼちと、ハイ」
(VRマシン室)
マサ:「眼球を引き抜いて、拘束台に備え付けの有線アダプタに代えるのよ」
マオ:「眼球って、自分で取れるんですか?」
マサ:「そうか、初めてか。アダプタの脇にぶら下がってる吸盤で引っ張れば簡単に抜けるよ。コードレスだから。あ、外す前に視覚を監視カメラに繋いどかないと何も見えないからね。入れ替えたら、アダプタのレセプタクルにファイバーコードのMUプラグ刺すの。リンク確立すると、自動的に他の感覚も接続されてVR世界のスタート部屋に行くから。あとは、スタート部屋のカウンターに立ってるバニーちゃんに聞いてね」
ミキ:「目玉引き抜くのって怖いなぁ。えいっ。あ、ホントに取れちゃった」
マオ:「あ、繋がった...(プログラム終了まで硬直)」
マサ:「さてと、真理亜様の宿題かあ。やっぱ、生きた人間の解体は牛よりきもいだろうなぁ...」
(1ヶ月後、兵員室)
艦内放送:「金星スウィングバイ6時間前、重力区画停止。総員不測の重力変化に備えよ」
真理亜:「29採鉱小隊は、これより重機格納庫の監視に当たる。全員移動」
ミキ:「スウィングバイの時って、かなりGかかるんですか?」
マサ:「今までの経験だとエンジン全開でも1G以上はかかりようがないわ、事故が起きた事なんて無いんだけどね。軌道修正のときは変な方向に力が加わることもあるから、一応格納庫で警戒態勢をとる決まりなの。せっかく目的地に着いても重機が壊れてたら仕事にならないからね」
タラ:「この艦はエンジンパワーが25%位でかいんで今までより無理が利くから、無人探査機並みに惑星のそばを通るよ。それだけ軌道精度も要るから、急な加速をやると思った方が良いわ。用心なさい」
(重機格納庫)
マサ:「何も起きないまま待っていると結構暇ですね」
真理亜:「金星だと地球みたいに突発的なデブリ回避なんてことは滅多に無いからね。最接近の1時間前までは何も無ければ雑談ぐらい構わないわよ」
マサ:「ところで、お言いつけなので、宿題やってるんですけど、きもいなんてもんじゃないですよ。改造手術のシミュレーション、スプラッタのオンパレードで鬱になりそうです」
真理亜:「藻前が鬱になるようなタマですか。で、ポイント取れてるの?」
マサ:「手はついていけるのでポイントはまあまあです。神経接続の10ミクロン間隔ったら半導体なんかに比べりゃ粗いんで立体的な動きさえ慣れればいいですから。ただ、指示通りやれば出来るけど、手順が納得できてないっちゅう感じで。特に、視覚レシーバのつなぎ込みが何であんな手間かけて脳の後ろ寄りでやるんだかさっぱり解らなくて。胴や手足のトランスポンダだと背骨の横で規則的に繋いでくじゃないですか。視覚も目玉のそばでぶった切って繋ぐ方が楽そうなのに」
真理亜:「藻前らしいねえ。要するに座学はダウンロードしただけで読んで無くて、いきなりゲーム感覚でシミュレーションかあ。まあ、単位さえそろえば納得して無くても助手にこき使えるのは一緒だから私は構わぬが。その程度のことは、ここの1のリンク追えば理由がわかるのに」
マサ:「はあ。どこかに理由書いてあるならいいです」
真理亜:「ところで、新米の重機の方はどうなの?」
マサ:「二人とも元々宇宙遊泳の勘は良いので、楽にポイント取れてますね。重機の作業アームとエンジンなら手足に近い感覚ですから。この調子なら、トロヤに着く頃には単独飛行許可の直前ってところでしょう」
真理亜:「そお。期待できそうね。そういえば、藻前は操舵員資格取る気は無いの?」
マサ:「以前やってみたんですが、ヘッドフィギュアの視点に比べて艦体ってでかくて。無い手足動かすってのも感覚掴みにくくて、難しいですね。今すぐ係留をやれって言われたら事故りますよ」
真理亜:「そう。あんまり色々させると藻前じゃ生体脳がパンクするからそっちは後回しで良いわ」
艦内放送:「3分後より5分間、軌道修正を行う。メインエンジン全開のまま旋回する。最大加速圧は1.5Gを予定」
タラ:「やっぱり、来ましたね。結構早めで精度稼ぐのかな」
真理亜:「そうねえ。遠いことは確かだけど、今回の航路、随分急いでるのよね」
タラ:「急ぐ理由は何も?」
真理亜:「言われてないなあ。まあ、早く帰れるのは誰でも嬉しいが」
(12ヶ月後、トロヤ到着1日前、またしても重機格納庫)
艦内放送:「20分後に減速を終了し慣性航行に入る。採鉱小隊は予備探査作業にかかれ」
真理亜:「今日は6機で出る。マオはマサの、ミキはリエの補助に憑いて。冬子は私の機で簡易分析ね。マサ、リエ、障害物が少ないところなら操縦交代判断は任せるからしっかり教育頼むわよ。なるべく早く8機体勢に持っていきたいんだから宜しくね」
マサ:「お任せあれ」
リエ:「まあ、焦らず一歩一歩いきますんで」
マオ:「先輩、金が取れると良いですね」
マサ:「そおねえ。貴金属は10%が給与やボーナスと別枠で直接採集者の個人ポイントに回るから1`取ればピアス4組ゲットってとこかな」
冬子:「氷も頼むわよ。推進剤増やせると帰りが早くなるんだから」
リエ:「任せて。私の体はアクセサリー要らないんで、金より時間が稼げる方が良いから」
ミキ:「リエ先輩なら、皮下に水銀充填したら似合うんじゃないですか?」
リエ:「なるほど、液体アクセサリーか。面白そうね。耐放射性も良くなるし。漏れないように出来るかな」
リホ:「まったく。リエはどこまで人間離れする気かしら」
エリ:「ミキも発想飛んでるなあ。金持ちってあんな教育されてる娘が多いのかしら」
タラ:「今回はノルマ無いんだから、欲張ってないで安全第一よ」
艦内放送:「採鉱小隊発進せよ」
真理亜:「間隔10Kmで六角形に展開して。前方監視は遠距離レーダー、隊内通信はレーザーリンクね。トロヤの想定中心点に向かって直進、小隕石に備え前面に作業ブレードを立てておくこと。目標点および母艦に対し相対速度は秒速300mを越えないこと。いいわね」
リホ:「反射波ありますね。2時間くらい行ったとこかな」
エリ:「パルス割れてるわね。大きいの以外にありそうじゃない」
リエ:「暫くは安全ね。ミキ、90分間は操縦任せるわ」
マサ:「こっちも代わるかな。ここならVRより易しい鴨」
(1個目の微小惑星)
真理亜:「私は簡易灯台設置してるから、マサとリエはここのサンプル集めて。タラとリホ、エリは周囲空間の隕石・塵集めね。とりあえず半径100Km以内で持ち帰れそうな大きさなら何でも良いわよ。収集中の視覚は全部重機のレコーダーに転送よ」
マサ:「変わった小石とか降りて拾っても良いですか?」
真理亜:「塵が酷いと後で足の手入れが大変だから今日ははやめておいて。明日からは分析次第にするけど。重機のマニピュレーターで掴めるものは自由に取っていいわよ。5個ぐらいずつ取れたら持ってきて冬子に見て貰うのよ」
リエ:「初日から金拾おうなんて焦るな焦るな」
マサ:「重機で掴めば良いんですね。ひひ、腕の見せ所だ。マオ、制御は私がするから感覚だけ繋いで手足の感触を覚えるのよ」
マオ:「はい。繋がりました。あっ、手足勝手に動いてる、不思議ーっ!」
タラ:「手っ取り早くトロールで良いですか?。じゃ、吸着網出すからリホとエリ3隅支持頼むよ。拡がったら運動シンクロかけて。300Km行ったら網元交代ね」
(12時間後)
冬子:「この空域の特徴は氷の比率が多い事ね。但し、氷の成分はメタンが多くていまいちだなあ。ウランや貴金属はまあまあね、木星の重力で集まった重い原子の一部が流れ着いたのかな」
タラ:「あんまりメタンが多くて水が取りづらいと基地を建設しても維持が難かしそうね」
真理亜:「岩石の珪酸塩から酸素を分離するシステムも開発中だからね。メタンと酸素からでも水は作れるでしょ。ウランがあればエネルギーは使い放題だから不可能ではないわね。採算性は貴金属次第だけどね」
マサ:「ねえねえ、金は?」
冬子:「まあまあだけど、水銀の方が豊富ね。太古から宇宙の中性子にさらされて金が転換されたのかしら」
マオ:「ザンネン」
リホ:「あんたは実家が大金持ちだから帰ったら金なんかいくらでも買って貰えるんでしょ?」
マオ:「サイボーグになれたお祝いにお父様が純金製の地上用外装を作ってくれるんです。それで、お礼に宇宙産の金で何か創って差し上げたくて、10%に期待してたんですよぉ。せめて100グラムくらい無いとかっこ悪いなぁ」
ミキ:「あら。ウチもよ」
マオ:「たぶん、ウチのお父様が誘ったんですよ。設計費や鋳型代を割り勘にしたくて」
エリ:「へえ。あきれた富豪二等兵コンビねえ。何考えてるんだか、ワケワカラン」
ミキ、マオ:「「やっぱり取るなら金よねぇ。。」」
リエ:「ハモるなっ!。私は水銀で十分よ」
(6ヶ月後、艦内重機格納庫)
リエ:「水がイマイチだったけど、結構集まったね。そろそろ終わりかな」
マサ:「集まったわね。でも一つ不思議なことがあるわね。いつもなら、分析後につまらない成分だったくず隕石を固めて投棄するじゃない。まだ一度も投棄命令が来ないのよねえ。ボール投げみたいで楽しいのに」
マオ:「ストレス解消になりそうですね。やってみたかったなあ」
ミキ:「うんうん。やりたいやりたい」
リエ:「おまいらもいつの間にかいっぱしの重機使いみたいなこと言うようになったねえ」
リホ:「この艦たしかに積載余力は大きそうだけど、まさか持って帰るのかしら」
エリ:「そんな無駄な重量があると帰りが遅くなる鴨」
タラ:「未探検空域だと色々検討することが多いから幹部方も細かいこと忘れるんじゃないの。通信にいる同期の話じゃ、遠くて大変なのに本国との圧縮パケットずいぶん多いそうよ」
ミキ:「そういえば私用通信許可って全く出てないですね。お父様にお手紙出したいのに」
マオ:「そうよね。純金ボディの製作進捗聞きたかったしい」
艦内放送:「採鉱小隊は、5分後、会議室に集合せよ」
マサ:「お、投棄手順の話でもするんかな。くず隕石いっぱい貯めちゃったし」
タラ:「急ぎましょ」
(知らぬが仏でお気楽なこと言ってますが、採鉱小隊はいよいよ重大命令を受けることになります)

風俗 デリヘル SMクラブ