第三次世界大戦。それは今までの戦争と同じように大きく技術を発展させる事となる。 様々な技術が生まれたが、その中でも最大の変化をもたらしたのは強力な通信妨害システムの開発である。
 誘導兵器や遠隔操縦の無人兵器は無力化され、核兵器も弾道ミサイルの無力化によりガラクタ同然へと成り下がった。
 これにより大戦を生き残った世界中の国家は軍備の再編を急ぐ事になる。

 しかし、これは自国内の保有資源が少ない国家にとって多くの困難をもたらした。
 各国は資源の囲い込みを行い、鉄や石油などの軍事物資は高騰した。
 資源の有効活用のため、兵器の小型化が求められた。
 極限まで小型化された試作兵器プランがいくつも上がったが、有効なレベルの削減までは至らなかった。
 最大の原因はパイロットの存在である。
 パイロットがいる限り、それを収めるスペースが必要になる。そして機体のバランスなどから、そこからさらに大型化していくのだ。
 これを解消するためには、人間が乗込むことなく動かす事ができる兵器だった。
 しかし遠隔操縦兵器はECMの前に無力化している。兵器を動かすには人間かそれ並みの制御装置が必要だった。
 人間並みの思考能力を持つコンピューターは現存していたが、その大きさはパイロット1人を乗せた方が遥かに省スペースだった。

 ここで悪魔じみた発想の転換が行われた。
 人間が大きすぎるなら、小さくすればいい。
 人間並みの制御装置がないなら、人間を制御装置にすればいい。
 最後に行き着いたのは人間そのものを兵器システムに組み込むという、悪魔の発想である。
 幸いながら、人口は世界でも10指に入るわが国は、人間と言う資源のみは有り余っていると言えた。
 こうして、狂気の計画は動き始めたのだった。

 サイバネティック技術も、前大戦中に大幅に発達していた。
 戦傷者が失った四肢を機械仕掛けのものに取り替えて、社会復帰することは珍しくも無かった。
 医療技術として人を助けるための技術は、狂気の前に戦争の手段へと変わっていくのだった。

 最重要防衛機密として、いくつものプランが提案され、最終的に2つの企業のプランの間でトライアルが行われる事になった。

四葉重工中央研究所
 最重要機密研究室で5体のコアユニットが最終チェックを受けていた。

「あ、くすぐったいです」
 10代半ばの少女といった外見のユニット、アイゼンだ。
 外見はコネクタが気になる以外、完全に普通の少女と変わらない。
 しかし、脳以外完全に機械化され人間とは比較にならないパワーを持ち、様々な実戦格闘術を習得しており、防弾防刃仕様の彼女は、無手でも一般兵相手なら一個中隊規模を壊滅できる。
 さらに、専用ユニットを装着する事で主力戦車を相手に対抗する事も可能だ。

「大丈夫です。問題ありません」
 20代前半の女性といった風貌のユニット、ネイ。
 手足にアタッチメントがついており、取り外しが出来る。
 彼女は車両に接続する事で自身が戦闘用車両になることが出来る。
 そのため、アイゼンに比べより頑健なフレームで作られている。代償として身体の柔軟性は失われている。

「頑張ってくるね」
 10代前半程度の幼さが残るユニットはユーリ。
 背面に大きなコネクタがあり、大型の兵器と接続する事を主眼においている事が見て取れる。
 実際、彼女用のユニットはロケット砲、高射砲など大型火器である。
 他のユニットに比べれば、近接戦闘能力こそないが大型ユニットを背負い移動する脚力は相当なものである。

「わたしに任せなさい」
 アイゼンと同い年くらいだが彼女と異なり強気そうな印象のユニットはソウカ。
 他のユニットたちに比べ軽量な彼女は飛行ユニットと接続する事により、航空兵器として活躍する事ができる。

「コンディションは最高です。いつでも戦えます」
 10代後半程度の外見だが大人びたイメージを受けるユニットは、ヒソカ。
 コネクタは少ないが、水中活動も可能な彼女は艦艇ユニットに接続する事ができる。
 さらに潜水艦にも対応可能である。

 彼女達は、もちろん「元」人間である。
 開発素体としてここに届けられてきた時点で、人間としての権利を全て奪われ、新兵器の試作機として生まれ変わる運命にあったのだ。
 彼女達は事前に何も知らされること無く強制的に「人」から「物」へと貶められた。
 当然のことながら、彼女達は激しく抵抗した。しかし半ば洗脳じみた教育と、改造による変質が彼女達に自らを人ではなく、兵器と言う「物」であることを認めさせた。

 明日のトライアル、どちらが勝っても彼女達のような兵器が増産される事になる。
 願わくば、私の娘がその贄にならないであって欲しい。
 そして、この哀れな少女達に勝利をもたらして欲しい。

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